悪魔と狐の物語

空想歴史小説ファンタジーです。人の歴史を見つめ続けた神狐と大悪魔の物語。

2017-01-02から1日間の記事一覧

妹狐の物語20

朝から私達は早く起きて支度をしていた。 まだ、明石国から出る訳ではない。むしろ、食糧の提供を受けられると言う事で、数日間は逗留する事となったのだ。 朝餉は、例のごとく母の役目だ。屋敷には、沢山の食糧が運び込まれていた。 特に、干した柿があった…

妹狐の物語19

舟の上から見ると、戦死した兵隊達の周囲で、沢山の兵隊達がしゃがみ込んで泣いていた。 本当に殺され損としか言えない、哀れな死に方だった。 何故、ここまで悲しい事になったのか。父と稲目様のお話、父からの説明があった後も、私には良くわかっていなか…

妹狐の物語18

みよしは、武装もせず、身なりを整えた姿で現れた。 おそらく、明石国の長から、稲目様の先導を命じられたのだろう。 ところが、帰ってみれば恐るべき事態が出来していたと言う事だ。 彼の振る舞いは、それでも沈着なものだったが、やはり無理をして自制して…